2017年10月2日月曜日

新・相生橋 OBだより110(2017/7/1)号

 去る4月22日㈯岡山県退職者会結成30年記念式典に併せて今年度の総会が開催された。退職者会30年を記念して3年間13回に亘った「四国霊場巡礼記念誌発刊式典」も同時に開かれた▼巡礼は平成24年8月から26年9月で四国巡礼を終え、27年3月の結願詣りで約50名の満行誓願が終わったと記念誌に記されている▼さらに記念誌をめくると共通した感想として、霊場会公認の「先達」から予め各寺院の由緒・特徴などの説明があったことにより、霊場巡りが功を奏したと。また、この霊場が今日でも年々多くの人々を惹き付けていることを通して、祈りと仏教観念の意義を感慨し、また霊場に惹き付けられた、と▼一方、肉親の供養のためとかいま生かされていることに対する感謝とか、仲の良かった友人が、出発の直前に亡くなりその方の冥福を祈る旅となったことなど、この霊場巡礼が参加者に多くの示唆を与える旅となったことを確信した▼さて、日本には、約300の霊場や聖地があり、よく知られた巡礼は、坂東・関東(33か寺)・秩父路(33)・西国(32)・島根札所(36)・出雲(18)等がある。また、神仏習合を反映しようとのことから平成8年3月「神仏霊拝の道」(東大寺に事務局)が結成されたが、これは伊勢神宮を起点として延暦寺を結願とする1600㎞の道であり、近畿2府4県58神社92寺を巡礼する最長の道で、人気が高いという▼西洋・東南アジアにも多くの巡礼聖地があるが、よく知られているのはイスラエルである。この聖地はわずか5㎢の面積の中に、ユダヤ教は嘆きの壁、イスラム教は聖アンナ教会、キリスト教は十字架と聖墳墓教会の聖地があり、世界中の信者が祈りを捧げるが、決して他教の信者とは交わりを行わない(他宗教は敵信者と思っているからだといわれている)▼日本の巡礼旅は、常に自然と共にあり、聖地全体が祈りと誓願の地であることが、日本的であり神も仏も自然も一体感の中に聖地が存在していると思いたい。終わりに私は参加できなかったが、ほとんどの人がすばらしい企画であった、と野田事務局長の労をねぎらうことばが聞こえていました。

(H29・5月記 コラムvol.15編 日本コラムニスト倶楽部会員 R・T