2022年12月9日金曜日

終活のすすめ26回 「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」について考える

 


社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

  終活カウンセラー 上級         

          川上 恵美子



皆様は「もしもの時」のことを考えたことがありますか?

万が一のときに備えて、自分の大切にしていることや望み、どのような医療やケアを望んでいるか等について、自身で考えたり、信頼する人たちと話し合っておくことは終活の中でも非常に大切なことです。

「ACP」という言葉をご存知でしょうか。

「ACP」の定義とは「将来の意思決定能力の低下に備えて、本人がそのご家族や、医療・ケアチームと全体の目標や治療・療養について事前に話し合う過程(プロセス)」とされています。簡単に言うと〝もしものための話し合い〟です。

私たちは人生の終焉「死」を避けては通れません。自分らしい、自分が望む人生を意思決定しながら、どのように生きるかを考えることは重要なことです。最期まで笑顔で過ごし旅立つためにも「ACP」は必要となります。

厚生労働省は「ACP」の愛称を、もしもの時のための『人生会議』としています。

~自分の「ACP人生会議」を進めてみよう~

①あなたの大切にしていることは何ですか。

②あなたが信頼できる人は誰ですか。

③信頼できる人や医療・介護従事者ともしもについて話し合ったことはありますか。

④話し合ったことを大切な人たちに伝えて共有してますか。

私たちの心身の状況や環境に応じて、気持ちや考え方は変化しますので、何度でも繰り返し『話しあう』ことが人生会議においては大切なのです。

私事ですが、我が家では元気な時から「自分のもしも」「家族のもしも」について話し合っていました。父の病が分かった際も、改めて家族で向き合い話すことができました。父の考えを尊重しながら、最後は本人ではなく『家族が代わって意思決定をする』場面でも、話し合っていたからこそ後悔なくできた選択がありました。

『大切な人の代わりに選択する』ということは勇気が必要でした。しかし、父のことを考えた時に、信頼できる人がいる、託せる人がいるということが、父にとっては最期の時間を過ごす際の安心感につながっていたと感じております。

「終活は自分と家族への愛情表現です」

新年を迎えるにあたり、「ACP=人生会議」について考えてみてはいかがでしょうか。新しい年が皆様におかれまして笑顔いっぱいの1年になりますよう御記念いたします。

2022年12月4日日曜日

「旧中山家住宅」見学ツアーを実施;県職員退職者会倉敷支部

 倉敷支部は、12月3日(土)に「旧中山家住宅」見学ツアーを実施しました。

「旧中山家住宅」は、大正初期に中山説太郎という実業家が建設した住宅です。倉敷市連島町西之浦の大平山の南麓にあり、倉敷芸術科学大学のキャンバスのほぼ真南にあります。

国登録有形文化財に指定されています。邸宅には、阪急グループ創業者の小林一二ら親交があった著名な実業家が立ち寄った記録が残るなど、歴史的な意味も大きなものがあります。

現在の所有者の三宅宏男さん(岡山県職員退職者会員)のご厚意により、一般公開に先駆けて見学ツアーを行いました。

県下各地から16名が集まり、倉敷駅から倉敷芸科大学行きのバスに乗りドンドンバス停で下車。バス停から北に5分ほど歩くと大きな石垣に囲まれた旧中山家がありました。

大きな長屋門の前で三宅さんが待っていました。三宅さんの後について中に入ると広大な庭があり、石垣の南側を見ると水島コンビナートを一望できます。庭を通り抜けて主屋に上がりました。

客間に案内されプロジェクターで約30分ほど説明がありました。説明した人は、平松隆志さん(岡山県職員退職者会員)でした。平松さんは、岡山・倉敷の発展を語る上において重要性が高く、保存活用の措置が講ぜられることが望ましい、と熱く語られました。

約1時間ほど見学し、割烹「はらだ」に歩いて移動しました。

倉敷支部総会を兼ねた昼食会を開催しました。三宅さん、平松さんも参加され、お互いの近況を語りながら楽しいひと時を過ごしました。





























2022年10月21日金曜日

終活のすすめ25回 大切な人へのラブレター      ~世界で一つだけのオリジナル会葬礼状~

 


社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

  終活カウンセラー 上級         

          川上 恵美子


  

   私事ですが、数年前に実父を見送りました。6月に病が分かり、前向きに治療に向き合っておりましたが、短い期間で別れの時は訪れました。

葬儀の中で会葬礼状を作成する際に、会葬頂いた方への感謝の気持ちと、父のことを知って頂きたいという思いがあり、私たち子供たちの気持ちを形にしたオリジナル会葬礼状を作成しました。

最近、葬儀社によっては、10分程度の電話インタビューで、礼状専門のライターさんがこうした文章を作成してくれるサービスもあります。お葬式に会葬頂く方の中には、生前の故人をよく知っている人もいれば、故人の家族とのお付き合いで参列してくださる方もいます。故人を知らない方々にも、こうした会葬礼状はとても良いと思います。

普段なら「なんて声をかけたらいいのだろう」と思うかもしれませんが、故人のことを知ることで「素敵なお父さんだね」と皆様にお声かけ頂けたことが、今も私たち家族の心の支えとなっています。その支えで母も元気を頂き、その後の満中陰志の挨拶状は、母の言葉でオリジナル挨拶状を作成し、また想いを紡ぐことができました。

2022年9月20日火曜日

第5回 瀬戸内三十三観音巡り

 9月17日、コロナウイルスの猛威により2020年から延期していました第5回瀬戸内三十三観音霊場巡りに行って来ました。今回は、広島県東部の5カ寺を巡ってきました。

最初のお寺は、広島県府中市町にある30番札所善昌寺です。

到着後お寺に入る前、先達をお勤めくださいました小野田さんから、山門をくぐる作法として「右進左退」を教えて頂きました。山門は合掌一礼して右足から入り、出る時は左足から出て合掌一礼するのが作法で左側通行だそうです。

善昌寺のご本尊は千手観世音菩薩で宗派は曹洞宗です。開山は1325年で臨済宗のお寺だったそうで、1458年に曹洞宗に改められたそうです。

駐車場には、平成4年葺き替えられた大鬼瓦と棟瓦が保存されていました。

2番目は、世羅郡世羅町の29番札所今高野山龍華寺です。弘仁13年に弘法大師によって開基されたと伝えられている由緒ある古い寺です。大師自ら等身大の十一面観音菩薩を彫刻されたと伝えられています。

3番目は、尾道市御調町にある28番札所北ノ坊です。当山は、もと寺号を弁宝山満福寺といい、北之坊はその坊号となります。本尊は千手観音菩薩です。平成16年4月には、鐘楼堂横に高さ9mの一石彫りの聖観世音菩薩石仏が建立されていました。                                                                                                                                                                                                                                                                                            

4番目は、阿伏兎観音として知られる24番札所盤台寺です。花山法皇がこのあたりの海上を往来する船の航海安全を祈願して岬の上に十一面観音石仏を安置しています。以来、千年余り航海安全の祈願所として、また、子授け・安産の守護として厚い信仰にささえられています。観音堂は、海にせりだした岩上に建てられており、高所恐怖症の人には耐えられないところです。初めは観音堂の廊下でお勤めをと考えましたが危険なため止めました。

今回の最後は、23番札所能満寺で、ご本尊は聖観世音菩薩です。JR福山駅から西へ歩いて数分の場所に位置していますが、元は福山城のある丘陵にあり、福山城築城の際、現在の位置に移されたそうです。

今回で、合計30カ寺を巡ることができました。次回は、残り3カ寺で向島、因島です。















2022年7月21日木曜日

終活のすすめ24回  お気に入りの写真はありますか    ~自分らしい『遺影写真』とは~

 


  社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

 終活カウンセラー 上級       川上 恵美子



   皆様は「遺影写真」に使いたい、ご自身のお気に入りの写真をお持ちでしょうか。

私がお葬式のお手伝いをさせて頂いた中で、多くの遺族の方が、良い遺影写真がないと言ってお困りになっていました。

もしもの時は突然現れます。急なことですので、免許証の写真や、大勢で写っている写真から引き伸ばして使うことも当然あります。結果、最後の印象に残る遺影写真で「もっと本当はいい表情なんだけど・・・」と後悔されているご家族をみて、遺影写真はとても大切だなと感じています。

皆様が想像する素敵な遺影写真は「笑顔」のイメージが多いのではないでしょうか。しかし正直なところ、笑顔の写真は意外と難しく、また男性は写真自体も少ない方が多いのが現状です。

私事ですが、昨年十月に実父を見送りました。私の仕事の関係もあり、両親には、毎年家族写真も兼ね、「生前写真」を撮影する機会を設けていました。

家族と一緒で和やかな中での撮影と、やはりプロのカメラマンの方のリードもあり、父本人も「こんなに笑顔の写真は初めてだ」と嬉しそうにしており、その中でも一番お気に入りの写真を自宅に飾っていました。

父が亡くなったことはとても寂しいことですが、葬儀に参列してくださった皆様が「いい笑顔だね」「お父さんらしい写真だね」と声をかけてくださり、私たち家族はもちろん、本人がお気に入りの写真で見送れたことに満足しております。

遺影写真は葬儀後も自宅に飾るものです。笑顔の写真があることで、私たち家族の心も癒され、自然と笑顔で語りかけることができています。

昔は、お葬式の準備など「縁起でもない」といわれていましたが、今年は、元気な時から始める「終活」として、自分らしい写真選びはいかがでしょうか。

「遺影写真選びのアドバイス」

1.ピントがあっている。

2.できるだけ本人が大きく写っている。

3.家族が気にいっている(もしくは生前本人が気にいっている)。手元の写真の見た目とは違い、写真は大きく引き伸ばすとぼやけてくるので、写真(絹目より光沢写真のほうがよい)に加えて、デジカメデータ(200万画素数以上)などもあればより良いと思います。

あなたの「笑顔」が自分にも家族にとっても、宝物になる写真をみつけてみてはいかがでしょうか。

写真選びをしながら「過去」「現在」「未来」の自分と向き合い、これからの人生を笑顔で過ごす為に、何が大切かを考える機会にして頂きたいと思います。

連合岡山西部地域退職者連合学習会が開催されました

  7月19日、西部地域退職者連合では、飛鳥グループ協同組合のご協力により「終活セミナー」を開催しました。

   あいにくの雨の中、法要庵倉敷中央会館に30数名の会員が集まりました。

第1部では、飛鳥グループ協同組合取締役部長の狩谷浩範氏から「永代供養と墓じまい」と題して、お話をしていただきました。

本来、永代供養とは、それぞれの家に代わり寺院等が先祖や故人を永代に供養する「宗教行為」を指すそうです。供養の対象は、「本尊」や「位牌」で、それらを寺院に預け供養してもらうことで、永代供養の対象は「遺骨」ではないそうです。

しかし、最近では供養意識の希薄化や、経済的な問題、少子化から、「遺骨」の行先として「永代供養」を検討される人が増えているそうです。

いずれにしても、預かり期間や費用、管理者等様々で、トラブルや後悔する事例も発生しているそうです。

第2部では、飛鳥グループ協同組合終活カウンセラー上甲有紀氏から「コロナ禍における家族葬の事情」と題して、お話をいただきました。


  最近、急速に増えてきた「家族葬」、具体的に「一般葬」とどこが違うのか知らない方が多いのではないでしょうか。葬儀自体の進行や内容は概ね一般葬と変わりません。いちばん違うのは参列者です。家族葬の言葉の通り、家族と親族、親族も近い親族に限って少人数で行うものです。メリットとしては、身内だけの少人数なので、精神的にも体力的にも負担が少ない事が挙げられます。しかし、参列できなかった方が、葬儀後、自宅に訪れる方が多いようで、かえって精神的・体力的に負担が大きくなることもあるとか、事前に家族葬の意向を伝えることが大切。「後悔しない家族葬のためには、事前の情報収集が大切で、事前相談や見積をお勧めします。」とのことでした。

時代と共に「永代供養」の考え方も変化しているようです。また、コロナ禍の中、家族葬のあり方も変化しているようです。直葬、一日葬、密葬など葬儀のやり方もいろいろあり勉強になりました。

   連合カードの裏面が「こころの会」のメンバーカードになっています。こころの会指定の飛鳥グループ法要庵の割引が使えます。葬儀をお考えの方は事前に相談してみてはどうでしょうか。




2022年6月13日月曜日

終活のすすめ23回 大切な人・ものを失うということ      ~『グリーフ』を知る~


社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

終活カウンセラー 上級    川上 恵美子

 


   支えあいが必要なときだからこそ今回は「グリーフ」についてお話させて頂きます。

「グリーフ」とは思いのままに、気持ちや感じていることを表に出せず、心に蓋をして抑え込んでしまっている状態をいいます。

英語で「grief(グリーフ)」といい、日本語では主に「悲嘆」と訳されています。例えば、誰か自分にとって大切な人をなくしたり、大事なものを失うことで生まれてくる反応や感情、プロセスのことです。グリーフは「死別による悲嘆」とされることが多い言葉ですが、そうした経験ばかりではありません。この度被災された方々だけでなく、その様子を目の当たりにしている皆さんもきっと何かしらのグリーフを経験しているのではないかと思います。

皆さんと一緒に、グリーフは特別なことではないこと、それがわかることでお互いが自然と支えあえる世の中になることを知って頂く機会になればと思います。

①「人物」の喪失

(家族や大切な人との死別・離別、失恋、離婚、親離れ・子離れ)

②「所有物」の喪失

(ペットの死、大切にしていた物の紛失・損傷、地位、能力、財力)

③「環境」の喪失

(引っ越し、転校、故郷、学校、職場、好きな場所、生活様式の変化)

④「身体の一部」の喪失

(失明、失聴、脱毛、身体機能の低下、身体の損傷・切断)

⑤「目標や夢」の喪失

(自分や家族の目標・夢、自己イメージ、理想や誇り)

皆さんにも何か経験があるはずです。「喪失」で抱く感情は悲しみばかりではなく後悔・怒り・無感動・無気力など、一人ひとり感じ方が違えば、その時々によっても生じるものは異なります。またグリーフは心だけでなく身体的・社会的・スピリチュアル的にも大きな影響があります。

☆感情への影響

(悲しみ 怒り 安堵 後悔 無感動 絶望感 無気力 等)

☆身体への影響

(睡眠 食欲減 食べ過ぎ 頭痛 胃痛 めまい 倦怠感)

☆人間関係への影響

(不登校 人間関係の悪化 孤立感 孤独感 過活動)

☆人生への影響

(神仏への不信感 生きている意味の模索 等)

こうした状態が続くと「自分はおかしくなったのだろうか」「何故自分だけが」などと不安になるものです。しかし、これは誰にでも自然に起こりうる反応です。私たちにできることは、グリーフの状態を知ることで、相手の状況を理解し、相手の話をしっかり聴く姿勢が取れ、「あなたは、おかしくなったわけでないから大丈夫」とその人を支えることができます。「いつでも話を聴いてくれる人がいる」と思ってもらえる安全で安心な環境作りも、社会に必要なサポートなのです。

2022年5月26日木曜日

「きびのまほろば」吉備の中山散策に参加しました。

連合岡山退職者連合東部地域主催の「ハイキング」に参加しました。

「きびのまほろば」散策ということで、興味もあり参加しました。

集合場所は、吉備津神社の駐車場です。午前10時に参加者約20名が集まりました。

東部地域退職者連合の早原会長のあいさつの後、小野田事務局長から説明がありました。

案内は、上西康雄さん(県教組役員OB)です。

吉備津本宮お参りの後、神社回廊を案内してもらいました。6月になると「アジサイ」がきれいだそうです。

本宮の南側が小高い古墳になっています。中国自然歩道を通り古代吉備文化財センターで

トイレ休憩・館内展示見学をしました。ここには南山城跡の発掘で出てきた貴重な土器などが展示してあり、後日、ゆっくり見学したいと思いました。

センターを出て、中山茶臼山古墳(御陵)に行きました。きれいに整備されていました。

八徳寺(三十三観音)、穴観音、鎧岩、八畳岩、宇宙を表す木漏れ日を通り、藤原成親遺跡から鼻ぐり塚を見て、12時すぎに駐車場まで帰りました。

途中で前方後円墳を見たり、古墳を見たりしました。

「桃太郎伝説」ゆかりの地「吉備の中山」でした。     

                     (野田雄一郎 記)