2014年8月25日月曜日

「終活」のすすめ⑦  ~老前整理をはじめよう(想い編)~

「終活」のすすめ⑦
    ~老前整理をはじめよう(想い編)~」
    終活カウンセラー 川上 恵美子


「もっと話をしておけばよかった」


葬儀の際に家族からよく聞く言葉である。

大切な人の看取りにおいて、必ずしもその人が息を引き取る時に家族が側にいることが
最良の愛情表現とは限らないと思う。

その人が安心して充実した人生を全うできるように、家族や周囲のみんなで支えあいながら、
本人の考えや意思を尊重して暮らしていくことがより大切ではないだろうか。

認知症が進み判断能力が低下したときや延命治療が必要になった際に、
「どうするか」を家族が決めてしまうのではなく、本人が決めた方がいいと私は考えている。

それは「自分らしく最期を迎える」という本人の尊厳を保つことになり、
家族には「大切な人の意思を尊重する」ことになるからだ。

逆に家族が全て決めてしまうと、「本当にこれで良かったのか」といった不安や後悔につながり、
本人も家族も大切な最期の時間を穏やかに送ることが難しくなるだろう。

もし自分の考えが上手くまとめられないのであれば、エンディングノートなどに書いてみるのもいい。
終末期について考え、自分の気持ちを整理し、また書いてみることで、相続や葬儀、墓、遺品…などといった死後のことについても自然と考えられるようになるはずだ。

「自分でできること」「家族の手を借りてできること」「家族に託すこと」など分けて考えれば
整理しやすくなるかもしれない。

自分がすべきさまざまな決断を家族に任せてしまうのは、家族に大きな負担となるだけでなく、
家族の「後悔」につながる場合もある。

自分の希望、想いを家族にきちんと伝えることは、本当に大切だ。
「終活は自分と大切な家族への愛情表現」ということを伝えた上で、元気なときから
家族と話し合う場をつくることをお勧めする。



次回は「家族とはじめる終活」をご紹介します。