2023年12月5日火曜日

自治退岡山県本部定期大会が開催される!

 自治退岡山県本部は、11月22日、ピュアリティまきびにおいて第33回定期総会を開催しました。

 野田会長は、あいさつで「会員の皆さんが「入っていて良かった。」と思っていただける退職者会を目指して取り組みことを述べられました。

 来賓の連合岡山退職者連合森本会長からは、現在の社会情勢を踏まえ高齢者が団結していくことの必要性、自治労岡山県本部中原副委員長からは、先輩の方々に学び自治労運動を進めていくことなどあいさつをいただきました。また、自治労組織内の高原県議会議員、秋久津山市議会議員、丸尾津山市議会議員から、統一自治体選挙でのお礼と連帯のあいさつがありました。

 その後、経過報告と運動方針(案)が提案され、満場一致で可決され定期総会を終えました。







                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           


終活のすすめ33回 地域包括ケアシステムとは ~自助・互助・共助・公助を考える~

 


社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

    終活カウンセラー 上級         

                川上 恵美子



地域包括ケアシステムとは「要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい生活を最後まで続けることができるように地域内で助け合う体制」のことです。その助け合う仕組みとして「自助・互助・共助・公助」があります。

① 自助(住民ひとりひとりが豊かな生活を送る為に努力すること)

② 互助(家族や近隣・地域で豊かな地域づくりに協力・協同すること)

③ 共助(法律や制度に基づき、行政機関などが提供するサービスで支え合うこと)

④ 公助(自助・互助・共助では対応できない、公による負担:税による負担で成り、社会福祉制度で支え合うこと)

私の実家の母の話をさせて頂きます。母は現在74歳。3年前に父が他界し、一人暮らし。お陰様で元気で、週5日(午前中)スーパーで勤務させてもらっています。母は仕事が休みの前日は必ず私へ電話をしてくれて、近況を話してくれます。職場でも何かあると(体調不良で休み等)勤務先の母の友人が私に必ず連絡をくれます。私と兄は交互に月23回実家に行き、大きな買い物などを手伝っています。

コロナ感染拡大防止前の日常生活はというと、雨の日は隣のご夫婦が仕事場まで送迎。(母はバイクしか乗れないため)午後はご近所さんの家でおしゃべり。夕方になると地域の方と一緒に、共同の畑で畑仕事。仕事が休みの日の朝は、仕事仲間やご近所の方から何かしらお誘いの連絡がありお出かけ。そして月に2回、地域のおしゃべりサロンに行くのも楽しみとの事。

『母が元気に一人暮らし』が出来ている理由には、家族だけではなく、地域や職場の皆様の協力がとても大きいといつも感謝しています。この(互助)があるからこそ、母は生きがいや楽しみも生まれ(自助)をより生かすことができます。

ただ現代社会では、とくに人とのつながりが希薄になりがちです。特に都市部は意識的に「互助」である住民同士の支え合いの強化を行う必要があると考えられます。

「みんなで支えあう地域づくり」のために何が必要でしょうか。自分にできることは何でしょうか。人は一人では生きられません。「今、困っている人の困りごと」は、「将来の自分の困りごと」であり自分ごとです。今は他人ごとであっても、年を重ねる中で誰かのお世話になるときが来るのではないでしょうか。

先ずは、身の周りの人のお困り事や地域の課題を「自分ごと」として考え、私たちがそれぞれできることを持ち寄って、勇気出して「おせっかい屋さん」になるのも必要だと思います。その「ありがとう」の中から、「お互いさま」「お陰さま」の気持ちが自然とうまれてきます。「自助」「互助」のサポートを基本に、「共助」「公助」のサポートもしっかり知って活用して頂ければと思います。次回は「共助」「公助」について考えたいと思います。

終活のすすめ32回 コロナ禍での看とりとは

 

社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

    終活カウンセラー 上級         

                川上 恵美子



新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐ為に、多くの医療・介護従事者の方々が、今までとは全く違うニューノーマル(新しい生活様式)の中で、日夜奮闘してくださっていることに感謝申し上げます。

現在でもお見舞いや面会制限がある中で、ご家族は仕方ないとは思いながらも「もっと側にいてあげたい」「一人で寂しくしていないかな」「困っていないかな」と不安なお気持ちでいらっしゃると思います。またそのご家族の様子を目の当たりにしている介護や医療従事者の皆様も「ご本人やご家族に少しでも何かできないか」と日々悩まれているのです。

新しい生活様式での医療・介護現場では、様々な取り組みで橋渡しをしてくれています。例えば

●面会方法として、タブレットやスマートフォンなどで顔をみて話ができる様にする。

●ご家族からの写真やメッセージを預かり病室に掲示する。

●今まで以上に患者様・利用者様の事をご本人やご家族から教えてもらい、可能な限りご希望に叶える支援をする。

●最期を過ごす場として、「ご自宅」での介護・看護の検討も出来る様にお住まいの地域と今まで以上に連携が図れる様にする。

「大切な人を亡くすかもしれない」という不安を抱えながら、「コロナがなかったらもっとこうしてあげられるのに」という、自身ではどうにもできない現実の中で看取りを迎えようとしています。

コロナ禍での終末期や看取りにおいて今までにない経験の中、今後はより「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)=人生会議」が重要となり、元気な時からの話し合いが必要となってくるはずです。自分や大切な家族と一緒に「大切にしていること」「これからしたい事」「会いたい人」「伝えたいこと」「行きたい場所」など日頃から話してみてはいかがでしょうか。

自分の気持ちを周りの方へ話してみること、そして周りの人の話も聞いてみることは、これからの人生の中で大きな発見となり、絆がより深まると思います。

「より良く生きる(逝きる)」為にこの機会を大切にして頂ければ嬉しいです。

 

2023年11月10日金曜日

退職者会秋のバス旅行

 11月7日(火)大阪「あべのハルカス」と「水都のクルーズ」に行ってきました。

 参加者は、43人です。バスは、津山を6時30分、岡山駅西口を8時に出発して山陽道を大阪へ向かいました。途中、三木サービスエリアで休憩し11時過ぎ「あべのハルカス」へ到着しました。

 「こころ、晴るかす。みらい、晴るかす。やさしい光に包まれて心地よい明日が見えてくる。」ハルカスは、「晴れ晴れとさせる」を意味する古語からネーミングされたようです。

 到着後、まず13階の「モクモク直営農場レストラン」で昼食です。

モクモクは、伊賀の里で農業をしており、農産物の加工も手掛けています。「自分たちでつくるからこそ、農業の大切さ、食べることの大切さをもっと伝えたい。」そんな思いが詰まった、体にやさしいビュッフェスタイルのレストランです。皆さん、おいしい野菜を中心とした料理で腹一杯となりました。

食事後、60階にある展望台へ。地上300メートルの展望台からは大阪を一望でき、大阪城も小さく見え、動いている電車も模型の様でした。参加者は、晴れ晴れとした気分で展望台を後にしました。

そして、次は、水上から大阪の景色を眺めようと大阪城港へ。水都大阪の定番クルーズ「アクアライナー」へ乗船しました。クルーズは、大阪城港から淀屋橋までの往復40分、大阪城、天満橋、難波橋、中央公会堂などを船上から眺めました。

その後は、岡山へ向けバスは走りました。途中、9月のトンネル事故で山陽道下り線が通行不能のため、県道・国道へ迂回し、岡山駅へは、当初の予定より約1時間遅れの帰着となりました。しかし、バスの中は昔話に花が咲き、ワイワイと賑やかな旅となりました。

皆、しゃべって・食べて・歩いて日頃のストレスも少しは解消できたのではないでしょうか。


































2023年10月23日月曜日

再任用を希望される方へのお知らせ

 岡山県を既に退職され次に該当する方で、再任用を希望される場合はご連絡を!

  ※再任用制度の詳細について知りたい場合もお問い合わせください。

1.対象者

 ① 令和元年度以降に定年退職した方

 ② 定年退職日以前に退職した方のうち、25年以上勤務して退職した方で、退職後5年

  以内、かつ、定年の年齢に達している(60歳以上)方

2.締切日

  令和6年1月12日(金)17時

3.再任用予定日

  令和6年4月1日

4.任期

  1年(1年ごとに更新可能。ただし、65歳に達する日の属する年度末まで。)

5.その他

  任用については、選考の上、決定となります。

6.連絡先

  岡山県総務部人事課人事班 電話:086-226-7217

 

2023年9月26日火曜日

終活のすすめ31回 「死化粧を通じて想う」

 


 社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

    終活カウンセラー 上級         

                川上 恵美子




私は御葬儀の中で死化粧(エンゼルケア)を行っています。

「死化粧」とは必ずしも化粧を施すことだけが目的ではなく、お身体を清め、故人様の尊厳を守りながら『その人らしさ』を大切に身だしなみを整える事です

様々な形で大切な人との別れは訪れます。最後のひと時、ご家族の記憶にある安らかな故人様と心置きなくお別れをして頂く時間を作りたいといつも思っています。

 現在コロナ禍において、病院や施設での面会制限があり看取り迄の時間を 

ゆっくり過ごすことが出来ないのが現状です。

私はお手伝いをさせて頂く際に可能な限り、ご家族から故人様のお人柄や  好み、ご職業や思い出などを教えて頂く様にしています。

『お父さんは髪の分け目こだわっていたよね』

『お母さんはこの口紅気に入っていたよね』

などと聞くと、ご家族に整髪やお化粧をして頂くこともあります。また最期に  治療でむくんでしまったりしているのを気にされている時は『ハンドマッサージで  楽になってもらいましょう』とお願いすることもあります。

 以前、お母さまを事故で亡くなれた娘様が、「御葬儀はごく親しい身内で送る」との事でしたが、生前のお話を伺いながらお支度を整えさせて頂いたお姿を前にされると、涙を流しながら「母に会ってほしい方を呼んでもいいですか」と仰られ、「母もみんなに会えて、私も色々な話が聞けてよかったです」と喜んで頂けました。

どんなに技術があったとしても、「その人らしさ」とはご家族の記憶の中にあります。常にお話を聞きながら、ご家族中心に後悔のないお見送りをサポートし続ける事ができる様に一人ひとり丁寧に寄り添っていきたいと思っています。

 最後の表情にその方の「生き様」が見えます。いつも笑顔で過ごしていた人。照れ屋だけど家族思いの人。一家の大黒柱で頼りになる人。家族の事を一番大切にしていた人。皆を愛し、皆からも愛された人。

生前の故人様の事を、遺された人が私に教えてくれるから知り得ることです。

 「人は必ずいつかは亡くなります」

生きているからこそできる事が沢山あります。自分にとって何が大切であるかを今一度考えてみてはいかがでしょうか。あなたの最期の表情が「あなたらしく」ある為にこれからの毎日を、大切な人達と笑顔で過ごして頂ければ嬉しい 限りです。

2023年9月22日金曜日

第6回 瀬戸内三十三観音霊場めぐり

 

9月16日、第6回瀬戸内三十三観音霊場巡りに行って来ました。                                                                                                                                                                               

前回までに30カ寺を巡っており、今回は、残りの3カ寺で尾道市の向島、因島です。

最初のお寺は第25番札所神宮寺です。

神宮寺は、尾道市の向島町にあり、ご本尊は千手観世音菩薩です。因島村上水軍の岡島城主、村上吉満が城を去るとき、守り本尊の千手観音を神宮寺に安置し、後に本尊となったとされています。


次のお寺は第27番札所観音寺です。

観音寺は、因島三庄町にあります。この寺は、山腹にあるため500mほど歩いての参拝となりました。ご本尊の聖観世音菩薩は、弘法大師因島を御巡化のみぎり造り給いしと伝えられています。

また、江戸時代には飢饉対策として重要な食材の甘藷の栽培が盛んだったそうで、その豊作をご本尊に祈ったことから「いも観音」と言われています。








最後は、因島南部の土生町にある第26番札所對潮院です。

ご本尊は、如意輪観音で高さは光背・台座を含めて約60cm多くの御仏に守られ厨子に収められて本堂に安置されています。ここでは、本堂で勤行させていただきました。

また、對潮院は、せとうち七福神の第3番霊場として弁財天を奉じていて、弁舌・音楽・財福・知恵などの神として多くの人に信仰されています。



瀬戸内三十三観音霊場巡りは、2018年10月13日赤穂市の花岳寺から始め、西へ西へと巡ってきました。途中、コロナウイルス感染症が猛威を振るい中断もあり5年の歳月を費やしました。この間、病気で体調を崩された方、他の行事と重なって参加できなった方などがおられ、33カ寺全てを参拝できた人は数人となりました。参拝できなかったお寺は、また都合の良い時、参拝して頂ければと思っています。

2023年9月1日金曜日

自治退岡山県本部学習会「大久野島」

8月25日、自治退岡山県本部役員交流学習会で大久野島遺跡めぐりに行きました。

大久野島では、1929年から終戦まで陸軍の毒ガス工場が設置され、毒ガスを製造していました。1932年頃からは秘密の島として、地図からも消されていたそうです。

現地では、平和学習ガイドの山内正之さんの説明を受けながら約2時間、毒ガス資料館・障害死没者慰霊碑・発電場跡等を見学しました。

慰霊碑の横には、亡くなられた毒ガス障害者の思いが刻まれた石碑がありました。碑には、宣言として次のように刻まれています。

宣        言

化学兵器は無差別かつ広範囲に人間を殺りくすることでは核兵器・生物兵器と同じであるから、ただちに廃絶されなければならない。

ここ大久野島には、かって東京第二陸軍造兵廠忠海製造所があり、国際条約で禁止された毒ガスを密かに製造していた。事情を知らされることなく働いていた行員・徴用工・学徒・勤労奉仕ほかの人々は、働いているときはもとより、仕事をやめた後も呼吸器などの毒ガス障害に悩まされ、癌の恐怖におびえた毎日を送っている。死没者はすでに千名を超えたが、その多くは毒ガス障害の解明のため身をささげ、国からの救済の道を開くべく、その礎となった人々である。

ここに毒ガスによる死没者の冥福を祈って慰霊碑を建立し、再びこのような不幸なことを繰り返さないよう広く世界に警告する。

昭和60年5月12日                 竹原市長  森川繁嘉

 








2023年8月9日水曜日

終活のすすめ30回 「この町が大好きなんじゃ」

 

社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

  終活カウンセラー 上級         

          川上 恵美子




「まだやる事があるんじゃけどな・・・。みんなに後は任せたわ。書類は、いつもの棚にあるから。よう言っといてな」一昨年の十月、病床で父は何度も何度も呟いていました。

私の両親は愛知県出身。結婚を機に祖母が一人暮らしをする岡山へ養子に入りました。そこは五〇世帯一六〇人の小さな町で、外からきた人間に対して閉鎖的なところがある地区でした。父は、地域の人とどうすれば交流が持てるようになるかを考えました。

父は毎週末、地域の墓地へ出かけて行きました。自分だけのお墓だけでなく、墓地全体をいつも丁寧に掃除をしていました。掃除をしながら、お墓に刻まれた近所の人のご先祖様の事や、建立者の人の名前を覚えていたとのこと。「いつもお墓をきれいにしてくれてありがとうね」なかなか話す機会がなかった人でも、墓地で会うと皆さん笑顔で、昔話や地域の色々なことを沢山教えてくれました。父は、それがとても嬉しかったのです。

やがて父は地域の人に受け入れられ、少しでもお役に立てればと、墓地の管理者を引き受けました。今度は、「どうしたらもっとみんながお墓にまいってくれるか」を考え始めました。「桜公園を作ろう」と、墓地の裏山に桜の木を毎年みんなで少しずつ植えていきました。地域の子供が生まれた記念に、小学校に入学した記念に、結婚した記念にと、人生の節目においても桜の木は増えていきました。「お墓は亡くなった人だけの為じゃないよ。生きてる私たちにも大切な場所なんだよ」父はいつも言っていました。お陰で毎年、桜まつりが行われるようになり、小さな子供からご年配の方まで、普段交流の少なかった人たちの中に、楽しみな行事ができました。また、桜の時期だけでなく、子供会では「桜の木にみんなの名前のプレートを作ろう」、消防団では「ベンチを置こう」、老人会では「桜の手入れをしよう」、婦人会では「みんなが集まる時に御弁当を作って差し入れしよう」などと、桜の時期以外にも地域のみんなが集まる場ができました。そこには笑顔があふれていました。

「お父さんは、この墓地のご先祖様に助けられたんよ。そしてこの土地の人間になれたんよ。ここからの景色はええなあ。この町が大好きなんじゃ」とお墓から小さな町を見渡しいつも私に話してくれました。

「お父さん、もう少しで墓地の階段に手すりがつくよ。みんなが参りやすくなるよ」先日の父の三回忌に、墓前に家族・親族・近所の人達と一緒に報告することができました。

この町の墓地は、亡くなった人を大切にしながら、地域のコミュニティを作ってくれる大切な場所。父から私たちは沢山の事を学び、受け継ぎ、そして守っていく約束をしました。

コロナ禍で色々な不便な事もあると思いますが、是非皆さんも新しい年を迎えるにあたり、ご先祖様に「生きている・生かされている」ことへの感謝の気持ちを伝えてほしいと思います。

2023年7月27日木曜日

終活のすすめ29回 「彼との出会い」

 

社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

  終活カウンセラー 上級         

          川上 恵美子




「自分の葬儀を考えたい」。40代の男性から電話があったのは、私が葬儀の仕事をはじめたばかりの2年目の夏。余命宣告を受けていつどうなるか分からないという。葬儀の話ではなく、先ずは、彼の歩んだ人生、思いなどたくさんの話を聞かせてもらいました。

「なぜ葬儀の準備をしたいのか」と問うと、「家族にきちんとお別れできなかったと後悔してほしくない」そして「最期に大切なみんなにも会いたい」との答えだった。彼には、妻と中学生の子供、そしてたくさんの友人がいました。私は、家族で話す場をつくるよう依頼し、後日、夫妻からお互いの気持ちや考えを聞きました。

「これからを大切にしたいからこそ亡くなったときのことを考えたい」という彼に対し、「亡くなることを考えると怖くてたまらないので何も考えたくない」と妻。お互いが、今まで話し合うことを避けていた思いや考えを言葉にすることができました。その後は、家族ぐるみで彼の友人に会い、今後について話す時間も自然と増えたということでした。

葬儀は、彼と出会った半年後、執り行われました。参列した皆さんは彼から余命のことなども知らされていて、家族と友人たちとの話は夜通し続きました。彼の思いを受け止め共有する場があること、お葬式の場で新しいつながりが生まれていました。

後日、彼が残したエンディングノートと家族宛ての手紙を拝見しました。そこには素敵な思いがつづられていました。書かれた日付ことに字体が違います。日々体調も気持ちも変化していたようでした。「主人がこんなことを言ってくれるのは初めてです」と、妻は少し照れながら嬉しそうでした。

最期に家族や友人とともに「死」に向き合った彼。その生き方は、周りの人にさまざまなことを教えてくれました。彼のお陰で、遺された家族には沢山のサポートができました。自分ができないことを友人や仲間にきっと託したのだと思います。

「周りの人への感謝の気持ちを忘れず生きてほしい」

息子さんに何度も何度も語り遺した言葉。

エンディングノートへ書かれた言葉。

「葬儀は全て川上さんに任せています」

この言葉に責任をもって、私はこれからも葬送の仕事(志事)と向き合いたい。

終活のすすめ28回 コロナ禍で改めて葬儀の意義を考える

 


社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

  終活カウンセラー 上級         

          川上 恵美子


「無事に母を見送ることができました。ありがとうございます。」

今まで以上に、我々葬儀社にとっても心に響く言葉と感じました。

新型コロナウイルス拡大防止の影響を受け、ここ数カ月で私たちの日常は大きく変化しました。それは、大切な人との最期のお別れである「お葬式」にも大きな影響を及ぼしています。

3月下旬に愛媛県で葬儀に参列していた方が感染した報道により、葬儀参列への自粛が一気に広がり、今までに類をみない小規模化が岡山でも加速しました。

テレビの報道で有名人の方のご家族が「入院中の面会はもちろん、最期の対面、火葬の立ち合いも叶わず、お骨になってからの対面しかできなかった」という現状に全国民が衝撃を受けたと思います。

岡山でもコロナの感染拡大予防のため、病院や施設での面会制限により「最期に付き添ってあげられなかった」「会いたい人にあわせてあげられなかった」「ありがとうと直接言えなかった」などと後悔の声を多数聞きました。

葬儀においても参列の自粛により、ご高齢の方や県外からのご家族・御親族の参列を控えて「大切な人との最期のお別れができない」という現状が続きました。

「葬儀には、大切な方が亡くなったということを受け入れ、悲しみとの折り合いをつけていく」重要な役割があると思います。

コロナ禍の中で、大切な人をきちんと見送ることが、決して当たり前なことではないと実感されている方も多いのではないでしょうか。

ご家族としても、我々葬儀のお手伝いをさせて頂く葬儀社としても、「葬儀ができる」ことへの感謝と大切さを改めて考えさせてもらう経験となりました。

「生きている」ことへの感謝と、「生かしてくれている」大切な人への感謝を込めて毎日を笑顔で顔晴って(がんばって)いきましょう!!

2023年6月26日月曜日

終活のすすめ27回 「QOL(クオリティ オブ ライフ)」について考える



社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

  終活カウンセラー 上級         

          川上 恵美子



  「QOL(クオリティ オブ ライフ」という言葉をご存知でしょうか。

「人生の質」、「生活の質」などと訳されることが多く、私たちが生きる上での満足度(幸福)をあらわす指標のひとつです。

 最近では、医療・介護などさまざま分野で注目・活用され始めています。まだまだ一般的な言葉として浸透していない部分もありますので、今回は高齢者における QOLについて考えてみたいと思います。

 QOLには客観的評価として

「健康状態(体力や認知力の向上)、経済状態(世帯の所得や貯蓄が十分)、社会的環境(地域活動などの社会的参加)、生活環境(安定した住まい、住まいの周囲の環境が安心・安全である、近所に頼れる身内や知り合いがいる)」、主観的評価として  「個人の充実感や満足度」などがあります。

   QOL向上の為には、『自身が健康であること、ある程度の経済水準を保っていること、近所に一緒に時間を過ごす知り合いがいること、物事への意欲・関心があること』などがQOLを保つために必要とされます。また、健康状態・経済状態・社会的環境・生活環境の充実が得られることで、QOLを高める活動の幅を広げることができるとも考えられます。

 

『何をしている時が幸せですか』

『あなたにとっての生きがいとは何ですか』

『これからをどう生きていきたいですか』

 

    超高齢社会の日本において、健康寿命(自立して生活できる時期)を延ばして、   生涯にわたって活き活きとした生活が送れるように、私達自身のQOLを高める為に何が必要かを考えてみてはいかがでしょうか。




春のバス旅行

 

今回の旅行は、「三井寺と琵琶湖遊覧の旅」です。

5月25日、参加者42人を乗せて、岡山駅西口を7時40分に出発しました。途中、休憩を取りながら11時過ぎ最初の目的地「三井寺」に到着しました。


三井寺は、天台寺門宗の総本山で、正式名称を「長等山園城寺」といいます。7世紀に天智天皇ゆかりの寺として創建されました。長い歴史の中で度々戦火を蒙りますが、その都度復興したことから「不死鳥の寺」と呼ばれています。広大な境内には、国宝・重要文化財の堂塔伽藍が立ち並んでいます。

まず、仁王門で記念写真を撮り、金堂、三井の晩鐘、弁慶の引摺り鐘、三重塔、観音堂など約1時間境内を見学しました。

そして、三井寺の次は、琵琶湖です。ミシガン外輪船に乗り、13時に大津港を出発、少し遅めの昼食となりましたが、ミシガンでのランチブッフェで、皆満腹です。

その後は、デッキで景色を眺めたり、船内でのショーを観たり楽しい時間を過ごしました。


1時間半のクルーズが終わり、後は井筒八つ橋本舗でお土産を買い込み、帰路につきました。

途中、サービスエリアで休憩しながら予定より30分程早く岡山駅へ無事到着しました。