2023年12月5日火曜日

終活のすすめ33回 地域包括ケアシステムとは ~自助・互助・共助・公助を考える~

 


社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

    終活カウンセラー 上級         

                川上 恵美子



地域包括ケアシステムとは「要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい生活を最後まで続けることができるように地域内で助け合う体制」のことです。その助け合う仕組みとして「自助・互助・共助・公助」があります。

① 自助(住民ひとりひとりが豊かな生活を送る為に努力すること)

② 互助(家族や近隣・地域で豊かな地域づくりに協力・協同すること)

③ 共助(法律や制度に基づき、行政機関などが提供するサービスで支え合うこと)

④ 公助(自助・互助・共助では対応できない、公による負担:税による負担で成り、社会福祉制度で支え合うこと)

私の実家の母の話をさせて頂きます。母は現在74歳。3年前に父が他界し、一人暮らし。お陰様で元気で、週5日(午前中)スーパーで勤務させてもらっています。母は仕事が休みの前日は必ず私へ電話をしてくれて、近況を話してくれます。職場でも何かあると(体調不良で休み等)勤務先の母の友人が私に必ず連絡をくれます。私と兄は交互に月23回実家に行き、大きな買い物などを手伝っています。

コロナ感染拡大防止前の日常生活はというと、雨の日は隣のご夫婦が仕事場まで送迎。(母はバイクしか乗れないため)午後はご近所さんの家でおしゃべり。夕方になると地域の方と一緒に、共同の畑で畑仕事。仕事が休みの日の朝は、仕事仲間やご近所の方から何かしらお誘いの連絡がありお出かけ。そして月に2回、地域のおしゃべりサロンに行くのも楽しみとの事。

『母が元気に一人暮らし』が出来ている理由には、家族だけではなく、地域や職場の皆様の協力がとても大きいといつも感謝しています。この(互助)があるからこそ、母は生きがいや楽しみも生まれ(自助)をより生かすことができます。

ただ現代社会では、とくに人とのつながりが希薄になりがちです。特に都市部は意識的に「互助」である住民同士の支え合いの強化を行う必要があると考えられます。

「みんなで支えあう地域づくり」のために何が必要でしょうか。自分にできることは何でしょうか。人は一人では生きられません。「今、困っている人の困りごと」は、「将来の自分の困りごと」であり自分ごとです。今は他人ごとであっても、年を重ねる中で誰かのお世話になるときが来るのではないでしょうか。

先ずは、身の周りの人のお困り事や地域の課題を「自分ごと」として考え、私たちがそれぞれできることを持ち寄って、勇気出して「おせっかい屋さん」になるのも必要だと思います。その「ありがとう」の中から、「お互いさま」「お陰さま」の気持ちが自然とうまれてきます。「自助」「互助」のサポートを基本に、「共助」「公助」のサポートもしっかり知って活用して頂ければと思います。次回は「共助」「公助」について考えたいと思います。