2023年12月5日火曜日

終活のすすめ32回 コロナ禍での看とりとは

 

社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

    終活カウンセラー 上級         

                川上 恵美子



新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐ為に、多くの医療・介護従事者の方々が、今までとは全く違うニューノーマル(新しい生活様式)の中で、日夜奮闘してくださっていることに感謝申し上げます。

現在でもお見舞いや面会制限がある中で、ご家族は仕方ないとは思いながらも「もっと側にいてあげたい」「一人で寂しくしていないかな」「困っていないかな」と不安なお気持ちでいらっしゃると思います。またそのご家族の様子を目の当たりにしている介護や医療従事者の皆様も「ご本人やご家族に少しでも何かできないか」と日々悩まれているのです。

新しい生活様式での医療・介護現場では、様々な取り組みで橋渡しをしてくれています。例えば

●面会方法として、タブレットやスマートフォンなどで顔をみて話ができる様にする。

●ご家族からの写真やメッセージを預かり病室に掲示する。

●今まで以上に患者様・利用者様の事をご本人やご家族から教えてもらい、可能な限りご希望に叶える支援をする。

●最期を過ごす場として、「ご自宅」での介護・看護の検討も出来る様にお住まいの地域と今まで以上に連携が図れる様にする。

「大切な人を亡くすかもしれない」という不安を抱えながら、「コロナがなかったらもっとこうしてあげられるのに」という、自身ではどうにもできない現実の中で看取りを迎えようとしています。

コロナ禍での終末期や看取りにおいて今までにない経験の中、今後はより「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)=人生会議」が重要となり、元気な時からの話し合いが必要となってくるはずです。自分や大切な家族と一緒に「大切にしていること」「これからしたい事」「会いたい人」「伝えたいこと」「行きたい場所」など日頃から話してみてはいかがでしょうか。

自分の気持ちを周りの方へ話してみること、そして周りの人の話も聞いてみることは、これからの人生の中で大きな発見となり、絆がより深まると思います。

「より良く生きる(逝きる)」為にこの機会を大切にして頂ければ嬉しいです。