2024年7月11日木曜日

終活のすすめ 3 7   母との 電話 大切な 人 と さよなら する前に



  社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

                終活カウンセラー 上級      

                           川上 恵美子



 私と一人暮らしの母には毎朝の約束があります。

朝、母が起きたら『必ず私へ電話をかける』事です。数分ですが、声を聞く事で安心しますし、その日の健康状態や予定なども知ることができます。孫とも「おはよう」と毎日会話をすることもできます。

『私達はいつか必ず死ぬ時がきます』

それはいつか分からないけど、私達は大切な人との別れが近くなると寂しさと同時に様々な決断を迫られることになります。

『介護、医療、延命の事。お葬式、お墓、財産など沢山の事』

いつか本人に代わって最終決断を迫られる時がやってきます。あなたは大切な人のことを良く知っていますか。例えば、好きな食べ物、嫌いな食べ物、趣味や交友関係、今の健康状態や、青春時代の話など。

『もっと沢山話をしておけば良かった』と思う日は必ずやってきます。

一度考えてみてください。大切な人と「あと何回話せるのか。あと何回会えるのか。あと何回ありがとうを伝えることができるのか。」

最期が近づいて話をすることになると、縁起でもないと思いこんで話ができなくなることがあります。

『大切な人との時間』には限りがあります。

私も毎朝の母との電話を通じて、沢山の気付きと元気をもらっています。皆様も『話をしておいて良かった』と、最期の日を笑顔で迎えられることを願っております。

2024年5月28日火曜日

退職者会春のバス旅行

  文字どおりの五月晴れのもと、5月25日(土)春のバス旅行「安芸の宮島日帰りの旅」に行きました。今回の参加は、29名とやや少ない参加となりましたが、最高齢90歳の方まで元気に日本三景の一つ安芸の宮島・嚴島神社の散策を楽しみました。ユネスコの世界文化遺産に登録(平成8年(1996)12月)されていることもあってか、観光客の半分が外国人かと思われるほどに、大変多くのインバウンド観光の方でにぎわっていました。

  嚴島神社は、推古天皇元年(593)に創建されたと伝えられ、仁安3年(1168)に平清盛公により現在の規模に造営されたそうです。宮島は昔から神の島として崇められていたので御社殿を海水のさしひきする所に建てたと言われています。特に海中にそびえる大鳥居は現在のものは9代目にあたり、明治8年(1875)に再建されたものだそうです。近年では令和元年(2019)より修理工事が行われておりましたが、令和4年(2022)12月に竣工し、朱色の荘厳な姿を見せていました。

  参加された多くの皆さんが、これまでに何度も宮島を訪れているとのお話でしたが、それぞれに新しい発見もあり、また懐かしい方と久しぶりに旧交を温めて楽しい旅になったようでした。












終活のすすめ 3 6回   大切な 人を 亡 くされ た 方へ   ~ 手紙で 想いを 届ける~

 


  社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)

                終活カウンセラー 上級      

                           川上 恵美子


   前回「 大切な 人 を 亡くされた 時 」 に 気持ちの 整理を 始める 際は 、大切な 人 との 思い出 」 と 「 その人が 自分の 人生に もたらしてくれた 特別な 贈り物 」 を 振り返って みてください 、と お伝えさせて 頂き ました 。

   皆さん「 手紙 寺 」 を ご存知 でしょうか。 自分の想いと向き合うためにしたためた大切な人への手紙。ポストに投函しないままだと、届く実感がしないものです。でも、そんな手紙の「送り先」があるのをご存知でしょうか。手紙に指定の宛先を書いてポストに投函すると、届いた先で無料でお焚き上げをしてくれる、一般社団法人手紙寺が始めた「手紙参り」という 仕組みです。届いた手紙は一切開封されることなくお焚き上げされるので、他人に読まれる心配もありません。

  「手紙を書く」それは悲しみと上手に付き合い、自分自身の気持ちを 整理する機会になるのではないでしょうか。

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   大切なあなたへ9年前、ご主人のお見送りをお手伝いさせて頂いたご縁で仲良くして頂きましたね。いつも朗らかで笑顔が印象的。苦労話も聞いてましたが『今が一番幸せ』と、いつも周りの方に感謝して暮らされていましたね。 まだ経験の浅かった私は、あなたの言葉に沢山励まされ、勇気を頂きました。何かあった時などは『大丈夫、大丈夫。私の時もお願いね』いつもそう言ってくれました。約束はきちんと果たせたでしょうか。『大丈夫、大丈夫。』と言ってくれるあなたの声が聞きたいです。別れは寂しいですが、またいつかお会いする日まで、私も笑顔で頑張っていきます。今まで見守り、支えて頂き本当にありがとうございました。

2024年5月17日金曜日

第37回定期総会を開催しました

 

4月27日、第37回定期総会を開催しました。会員・役員含めて54名が参加しました。

1030分に開会され、冒頭この一年間に亡くなられた仲間に黙とうをささげました。

開会のあいさつで野田会長は、「少子化が進展していることで高齢化の問題が深刻になっている。社会保障制度の一層の充実に向けて、来たる参議院選挙で自治労推薦の「岸まきこ」必勝に向けて取り組もう。退職者会では、春・秋の旅行や地域毎の交流会などを通じて懇親を深める取り組みを行っているので気軽にご参加ください。『会員の皆さんが、入っていてよかったと思っていただける退職者会を目指します』」と話されました。

来賓として、岡山県職員労働組合連合・執行委員長の中原弥生さんと今年新たにお声がけした自治労組織内議員の秋久けんし、まるお勝両津山市議会議員が激励に駆けつけてくださいました。

その後、議事に入り、議長には、美作市の長畑弘道さんを選出し議事進行をお願いしました。2023年度の活動報告・決算報告・会計監査報告、2024年度の活動方針では、組織拡大、共済事業の推進、OBだよりの紙面充実、レクレーション活動、参議院選挙の取り組みなど具体的活動と予算について長田事務局長より提案があり、それぞれ満場一致で承認されました。最後に書記局の移転に伴い退職者会の所在地が変わる規約改正が拍手で承認され、閉会しました。

閉会後、恒例の満80歳の人への記念品授与は、1名の方に授与されました。

その後開催の記念講演は、備前市教育長の松畑煕一さんを講師に「人生100年時代を生きる」と題した講演をいただきました。

松畑さんは、現在80数才でありながら、二度目の還暦120才まではまだ30数年あると意気軒昂で、人生は常に上り坂!、下り坂でも振り返れば上り坂と何でも前

向きに捉えて生活していると力強く話されました。話の合間には、歌を何曲も歌われるなど終始和気藹々の元気の出るお話を伺うことができました。参加者もそんな雰囲気にいつの間にか引き込まれ、あっという間の一時間となりました。



写真撮影の後、4年ぶりに、ほとんどの方が参加して昼食懇親会を開催しました。会の冒頭、遅れて駆けつけてくださった高原俊彦県議会議員からご挨拶をいただき、鈴木二郎元会長の乾杯の音頭で開会されました。久しぶりのアルコールを交えた懇親会では、あちこちで昔話や情報交換の話の花が咲き、終始和やかな会となりました。

2024年4月21日日曜日

連合岡山退職者連合史跡めぐり

 4月13日、連合岡山退職者連合の史跡めぐりが津山市で開催されました。

今年の史跡めぐりは、津山城西伝統的建造物群保存地区です。

この地区は、城下町の西部に位置し、出雲往来沿い及び西寺町と小田中の一部を範囲としています。

出雲往来沿いの町々は商家町として、江戸時代の地割を残しつつ、明治時代以降大いに発展したそうです。

西寺町は、津山城下最大の寺院集積地で、江戸時代には22もの寺院が並んでいたそうです。(現在は12ケ寺)

史跡めぐりには、約40人が参加し、2班に分かれボランティアの案内を受けながら約2時間史跡めぐりを行いました。









連合岡山東部地域退職者連合ハイキング

 4月4日、連合岡山東部地域退職者連合ハイキングが、和気町の岡山県自然保護センターで開催されました。

自然保護センターは、自然との触れ合いを通じて、県民の自然への理解を深め、 自然の保護についての認識を高めるため、平成311月に和気町(旧佐伯町)にオープンした自然体験のできるフィールドを有した自然保護・学習施設であり、自然保護に関する指導者の養成研修、調査研究、情報の収集・提供、ボランティアの養成、関連施設とのネットワークづくり等の機能を併せもった施設です。

参加者約20人が、9時30分にセンター駐車場に集合し、学芸員の藤田さんと県職OBの大森章生さんの案内で、約2時間園内の木や花を見ながらのハイキングとなりました。









2024年2月9日金曜日

終活のすすめ35回  コロナ禍の期間に大切な人を亡くされた方へ ~『グリーフ』を知る~

 



社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)
    終活カウンセラー 上級         

              川上 恵美子


以前西日本豪雨災害の際にも「グリーフ」について掲載させて頂いた事を覚えていらっしゃいますでしょうか。

「グリーフ」とは喪失に対する私達の感情の反応で、感じていることや思っている事を心の中に閉じ込めた状態の事を指します。閉じ込めていることで、「怒り・罪悪感・悲しみ・うつ・孤独感・絶望感・無感覚」などの多くの感情が表れることがあります。

「グリーフ」は誰でも経験するものであり、人生の中で何度も喪失によるグリーフの経験をしますが、「感じ方は人それぞれ」で、同じ家族であっても、一人一人がそれぞれの形で表に出てきます。

今まで経験のないコロナ禍で「大切な人を喪う」ことは、いつもと違う状況の中で思ったように看取る事が出来ず、グリーフの反応が複雑化する事もあります。

「死別」による喪失だけではなく、様々な社会的活動の制限により、「会いに行くことが出来なかった」「一緒に過ごすことができなかった」「側にいられなかった」等、今まで普通にできていたことが出来ない「あいまいな喪失」経験も重なる事で

気持ちの整理が難しく混乱しやすくなります。

「大切な人」を側で看取ることができなかったり、葬儀に参列できなかった痛みを消し去る言葉はありませんが、最期の終わり方に注目するだけでなく、あなたが大切な人と一緒に経験した「笑い」「喜び」「幸せ」などの幾多もの大切な場面を思い出すことで、これからも一緒に生きていけることを忘れないで下さい。

重要な事は、大切な人は一生を通じてあなたに対して「愛情」を感じ、あなたからの「愛情」も心にしっかりと抱きしめながら人生を終えることができたということです。

「大切な人を喪う」ことはとてもつらい経験です。気持ちの整理を始める際は、「大切な人との思い出」と「その人が自分の人生にもたらしてくれた特別な贈り物」を振り返ってみてください。無理に克服したり元気になるのでなく、ゆっくりと「グリーフ(喪失経験)」と向き合い・折り合いをつけていき、これからの自身の人生へ共有してみてください。

もし皆様の周りにコロナ禍で大切な人を亡くされた方がいる場合は、今までに経験した事のない状況下である事を理解し、その人の気持ちの変化を受け止め、「私はいつでもあなたの事を支えたいとおもっている」というメッセージを何かの形で示してあげてください。支えてくれる人がいる事は、これからの人生においてとても心強いサポート(グリーフサポート)となります。

参考文献:(一社)グリーフサポート研究所「コロナ禍の期間に大切な人を亡くした方へ」