社会福祉士(エンディングソーシャルワーカー)
終活カウンセラー上級 川上 恵美子
葬儀後に遺族が最も困ることのなかに「遺品整理」があります。
遺品整理は、大変で時間がかかるだけでなく、大切な人の遺品を処分するということで、遺族の心の負担にも大きく影響します。
今回は、家族が困らないためにも、元気なときから一緒に親の家を片付ける「親家方(おやかた)」について考えましょう。実家の片付けは深刻化している場合が多く、「もったいない」と思っていただけなのに、いつの間にかゴミ屋敷化している場合を目にします。
死後、片付けに相当なお金と時間と労力を費やすだけでなく、急な介護や看病が始まるときにも慌ててしまうものです。「親家方」にはとにかく時間がかかるので、元気なときから始めることが大切です。
「親家方」で大切なこと
①まずは一緒に片づける日を決める
(一方的に行わずに、実家の現状把握を含めて、親とこれからどういう生活を送りたいか話し合う時間を持つことが大切)
②目標は「安心で安全な家になること」
(お互いのゴールは安心で安全な老後の生活のためであるという共通認識をもつ)
③親の価値観を大切にする
(捨てる・捨てないだけでなく、親の中で何が大切なのかを知る機会だと考える)
「親家方」の最初はお互いの価値観や考え方を理解するために時間を要しますが、話をしっかり聞くことで親がどういう生活を送りたいのか理解でき、お互いが「安心で安全な家」を目指している必要性がわかれば、「親家方」を通じて、親の思い出・生き方・価値観・生活状況・身体状況・交友関係なども理解でき、より良い親子関係が再構築できると思います。
「親家方」で、皆さんが家も気持ちもスッキリな毎日を過ごしていただければ嬉しいです。