題 名 「雲海の日の出」
天候や温度を調べ、また自分の経験と勘を信じ、真夜中に一人車を走らせる。
マイナス5度の山頂でカメラをセットし、ポットの熱いコーヒーを飲みながら
漆黒の闇の中に構図や露出を考える。
時間の経過とともに、予想した位置から微妙に色が変化し始め、レンズの向きを
調整する。薄い雲の流れが瞬く間に谷を溢れ動き出し、太陽の頭が空と霧を輝かせる。
うねり、湧き上がり、流れて、大荒波のような雲海と日の出である。
太陽の高さと風により情景は千変万化、数分間の大劇場であり、年に1度か2度
しか見ることができない絶情景である。
しかし、写真ではこの大自然の与えてくれる感動と喜びを、伝えることは不可能である
この現場に居ればこそ、感じることのできる素晴らしさであり、幸福感である。
平成28年12月 津山市黒沢山で撮影
(大林 洋一)