「清秋の海」 大林 洋一さん撮影
大好きな山陰海岸に、秋の気配が漂いだした。
折々に撮影しているが、秋から真冬の情景が最も絵になり、心が躍るのである。
穏やかに透きとおる水色が、時とともに重く灰黒に変わってくる。
岸辺に寄せる波も次第に大きくなり、沖ではうねりが声を上げだす。
岩礁に打ち寄せるその白い波頭が、、季節の移ろいを告げる。
空は冬までのひと時の青さと高さを見せ、雲と太陽が極美の夕景を演出する。
そしていつの間にか、北風が吹きすさび、横なぐりの雪が舞う。
私はこのような自然の変化の一瞬一瞬を撮りたいと、遠路はるばる通うのだ。
この美しくまた厳しい大自然の、光と風と音と匂いなどを全身に受け止め、
大きな感動と、生きる力を頂いている。
鳥取県岩美郡岩美町・平成28年10月撮影(大林 洋一)