「終活」のすすめ⑮
「岡山葬儀事情③~ お葬式の在り方を考える~」
終活カウンセラー 川上 恵美子
最近はお葬式の簡素化が進み、葬式をしないでそのまま火葬場に行く
「直葬(ちょくそう/じきそう)や、火葬した後で遺骨を引き取らない 「0葬(ぜろそう)」と呼ばれる
葬儀を選ぶ人も増え、岡山でもこの形式選択する人が出て来ている。
理由としては、以前は「身寄りがない」が多かったが、最近は本人側の「残された家族に迷惑を
かけたくない、負担をかけたくない」や、家族側の「経済的に余裕がない」、
そして両側での「葬儀の必要性が分からないので不要」という理由もある。
昔の様に義理や見栄で葬式を行う必要はないが、規模の大小に関わらず、
故人を感謝の気持ちで送ることはいつの時代も大切な事である。
前回、私は「お葬式」は自分の為だけでなく「残された大切な家族」の為にも
必要だという考えを述べた。
いつも近くにいてくれた人がいなくなったら、あなたはどうなるだろうか。
「大切な人を亡くす」というのは心身共にとても辛く苦しい事である。
でも「死」という経験から、命の大切さを知り、これからの人生を考え、
死から始まる新しいつながりを得る事も出来るのだ。
葬式は「大切なつながり」を作るとても重要な場である。
大切な人の事を知ってもらい、語り合い、想いを共有する事は、残された家族が
これからを生きていく上での希望となり、支えてくれる人との大切なつながりの場になるのだ。
その希望は、これからの人生の「生き方」「活き方」「逝き方」を考える 自分の力となる。
そして悔いなく見送れたことで、心穏やかに手を合わせ偲ぶ事ができ、
ご先祖様とのつながりも感じることができるのだ。
葬儀事情がめまぐるしく変化しても、葬儀の在り方を考え、
納得して見送る知識と考え方を持っておくことは大切である。
次回は「岡山葬儀事情④~お葬式で必要な知識とは~」です。