終活カウンセラー 川上 恵美子
「高齢者の孤立死」についてどう考えるか。
私がお手伝いさせて頂くだけでも、毎月の様に死後数か月経過して発見される方がいる。
原因として、現代社会では高齢単独世帯の増加、家族・地域とのつながりの希薄化、
貧困・格差などが挙げられる。
行政でも様々な取り組みを考えてはいるが、社会から一度離れた高齢者はこうしたつながりを
自ら断ち、「孤立化」してしまう場合が多い。
支援を拒否する個人の意向を無視してまで介入できないのが現状なのである。
私が相談を受けた方の中で「迷惑をかけたくない」
でも誰かに頼るよりは「一人でいるほうがいい」と口にする方は多い。
でも人は一人では生きていけないし、死ぬ事ももちろん出来ないのだ。
だからこそ、家族や地域、行政とのつながりが大切なのである。
家族への相談や協力はもちろんであるが、やはり遠方に住んでいる場合が多いので
近隣・地域の協力は非常に重要である。
●行政のサービスを知る。
●積極的に地域のイベントや老人会に参加する。
とにかく「相談出来る人」を作ることが大切である。
「孤立」に慣れてしまった方には勇気のいる事だし、相談された側も最初はとまどう事もある。
しかし「孤立死」に至れば遺族はもとより、近隣や管理人、行政にも精神的な負担だけでなく
様々な費用や労力、時間も必要になる。
だからこそ「地域とのつながり」を大切に、
年齢に関係なくお互い様の気持ちで日々暮らして欲しい。
昔の様に地域の中で挨拶をすること、
顔見知りの関係を作ること、
気楽に集まれる場を作ること、
こうした当たり前の環境が生活の中で増えて欲しい。
地域全体でも取り組むべきである事を理解してもらいたい。
次回は『大切な人との出逢い』をお伝えします。